潜在保育士と保育士不足、保育の質の低下の関係
保育園や子ども園が急激に増え、待機児童問題は解決してきていますが、不適切保育の問題が増え、保育の質を問われているのが今の現状です。
保育の質の低下には
早期離職が多いことと潜在保育士が多いことに原因があるとされています。

保育士不足が保育の質の低下に繋がっているのです。
そして、保育士不足に影響を与えているとされるのが潜在保育士の存在となります。
保育士登録者数から考えると
潜在保育士は約6割以上と言われています。

こんなに保育士不足と言われているのに
半数以上が保育士の資格を持っていながら保育士として働いていないです。
実際に一度保育士として働き、辞めていく人はたくさん私も見てきました。
その中で、別の仕事に挑戦し最終的には保育士に戻ってきた女性保育士もいます。
保育士から別職種に転職し、その後保育士として復帰した女性の成功ヒストリー

ナオさん(仮名)現在41歳
- 小学1年生の長女と3歳の次女の育児を奮闘中
- アウトドア派
- 自由人のようで計画的で真面目な性格
- 保育士になることが小さい頃からの夢
- 面倒見が良い
- 頑張り屋
- 体力やメンタルが強い
- 流行りに左右されやすい
❶ 小さな頃からの夢だった保育士としての仕事がスタート!

小さい頃から保育園の先生になるのが夢だったナオさん。
自身の保育園だった頃の先生に憧れて、保育士になろうと決めました。
推薦で短大に入り、実習にも行きました。
実習ではちょっと怖い感じの先生はいたし、保育の現場のマイナスなことを吹き込んでくる人もいたといいます。ナオさんはそんな人達とも笑顔で接し、夢を実現させます。
2年間短大で保育について学び、20歳で保育園に就職
初めの就職先は600年余り教育の歴史が受け継がれている私立の定員150人以上の保育園でした。
ナオさんは年少クラスの担任を任されました。
新卒で保育士として奮闘します。
保育士によく言われる「持ち帰りの仕事」もありました。
制作物
ナオさんの家には画用紙がいっぱいありました。
月の壁面や子どもたちの制作準備などはほとんど持ち帰りの仕事でした。
保育の制作物の参考書もいっぱい家にありました。
書類系
もちろん制作物以外にも書類の仕事も山ほどあります。
反省、計画、ねらい、企画。
平日の残業は当たり前の毎日でした。
ピアノの練習
ある程度は弾けますが練習は必要だったナオさん。
弾きながら歌うのは簡単ではありませんでした。
そして、人間関係問題も出てきます。
嫌味な先輩、意地悪な先輩、性格がキツイ先輩、ターゲットを決めてイジメる先輩。
いろんな人がいました。
そんな人ばかりではなく
仲良くなった同期もいたり、大学時代の保育士仲間と会って現状を言い合って発散したり、ナオさんなりに自分をコントロールしながら働いていました。
この頃のナオさんは
職場の人間関係について
「すみませんの大安売り」と思いながら関わっていたと言います。
何か言われるたびにとりあえず
「すみません」
誰かと関わるたびに
とりあえず
「すみません」
ナオさんなりにこれでなんとか上手くやりくりしていたのです。
夢の保育士として働き始めたナオさんですが
保育業界の現実が一つ一つ重なってきます。
それでもやっぱり夢の保育士です。
ナオさんは頑張って続けます。
運動会やクリスマス会で
自分のやりたい演目を考えて子ども達と一緒にやりきることは何にも変え難い達成感があり、他のしんどさがフラットになる程でした。
❷3年目の23歳の時に主任保育士になり順調にキャリアアップしていく中、限界が近づいてくる

保育士2年目はリーダーになり、3年目は主任を任されたナオさん。
順調にキャリアアップをしていきます。
…のように見えますが
その現状は
保育士の入れ替わりが激しいからとも言えます。
ナオさんが保育士として素晴らしいというのはもちろんですが
入れ替わりの激しさは隠しても隠しきれません。
まだ3年目のナオさんにとっては、責任が重すぎます。
年齢もまだまだ20代前半です。
自分よりも年上の保育士さんがほとんどの中で
指示を出したり、提案したり、注意をしたり。
保護者だって自分よりも年上の人ばかりです。
心の疲労が重なります。
ナオさんはドライブが好きでした。
いつものように友達と遊び、
ナオさんが車を運転している時
「明日が嫌だな〜。このまま車で突っ込んでしまったら明日が来なくなるかな〜」
と、一言つぶやきます。
これはもう限界です。
もちろん本当に車で突っ込むなんてことはしません。
ナオさんの心の中は本心だけど、本気ではない。
そんな感じだったのではないでしょうか。
❸25歳で保育士の離職を決断し、別業種に転職を楽しむ!!

2年間、主任としてやり切った後、
ナオさんは25歳で別業種に転職しました。
「このままだったら保育士が本当に嫌になりそうだから」
「他のやりたいこともやってみたい」
という理由からの離職、転職です。
ナオさんは住宅メーカーに就職しました。
第1期潜在保育士期間となります。
別職種すぎるほど別職種ですが、保育士を離職しての転職はこんな人は多い気がします。
プライベートも仕事も本当に充実していて、趣味に時間をかけられるようにもなっていました。
アウトドア派なナオさんなので、休みの日だけではなく仕事終わりも毎日楽しんでいました。
人との出会いの幅も広がり、保育士時代には考えられなかったような様々な人とも出会い、いろんな刺激も貰っていました。
❹28歳で公務員保育士試験を受けて保育士として復帰!

3年ほど住宅メーカーで働き今までの我慢を発散するかのように楽しんでいたナオさんですが
自分の年齢やこれからのことを考えていきます。
そこで受けると決めたのが
「公務員保育士試験」です。

これは年齢制限があるため、後から受けたいと思ってももう遅くなってしまうんです。
自治体によって年齢制限は異なりますが、ナオさんの地域は30歳までという制限でした。
やっぱりいつかは保育士に戻りたいという気持ちはずっと持っていたのでしょうね。
しっかりと自分の将来を見据えて人生を考えているナオさんらしい考えです。
そして、見事合格です!
28歳で公務員保育士として復帰が決まりました。
勤務場所は家から近いわけでもないですが
安定を求めたナオさんにはぴったりの働き方だったようです。
ナオさん的には
こんなメリットがあったようです。
給与面
退職金、年金
書類などの書きやすさ
残業や持ち帰り仕事の割合
職員の入れ替わりが少ない
でも、一概に
公立保育園の方が良いというわけではありません。
*公立保育園の特徴
運営元が地方自治体となる
保育士資格に加え、国家公務員の資格も保有
長く続ける職員が多くベテランが多い
異動が定期的にある
保育内容が自治体で統一
保育士研修が手厚い
充実した設備
*私立保育園の特徴
比較的若い保育士が多い
基本的に異動がないため継続した保育が出来る
独自の保育方針があり、教育面も充実
実力次第で出世できる
ICTシステムなど新しい取り組みに積極的
基本的に年齢制限が設けられていない
自分の働き方にあった保育園を選ぶことから始めると良いですね。
公務員保育士として安定して働いていたナオさんは
30歳で結婚します。
結婚してからも保育士として働き続けます。
公立保育園の特徴通り
異動も経験しました。
でも、公立保育園の異動なので
園の保育方針も変わらず
書類の書き方も変わらず
環境の変化に苦労することはなかったようです。
❺30歳で結婚をしてからライフスタイルに合わせて保育士の離職と復帰を繰り返していく

31歳で妊娠したナオさんは
保育士を辞めます。
今は比較的育休、産休も取りやすくなりましたが当時はそこまで一般的ではありませんでした。
そして子どもが幼稚園に入ったと同時に保育士復帰をします。
その時ナオさんは35歳でした。
パートとして勤務し始めてすぐに2人目の妊娠がわかります。
1年も経たずに辞めることになったのですが
短い保育士生活を楽しめたというナオさん。
やっぱり「保育は楽しい」「自分にはこれだ」と改めて実感したようです。
2人目が無事に生まれ
世の中はコロナ禍に入ります。
3年ほど保育士と離れ、育児に奮闘しつつ
保育士への復帰を考え始めます。
パートは業務量が少なくて時間も短く、気軽に働きやすいけど、子どもが成長するにつれて正規職員で働くことも考え始めたナオさん。
でも、正規職員なら残業や書類、持ち帰りなどのことをどうしても考えてしまっていました。
❻39歳でパートとして保育士復帰をして子育てと仕事の両立をする

下の子が幼稚園に入ると同時に
パートとして保育士に復帰します。
この時、ナオさんは39歳。
職種は保育士以外考えていなかったといいます。
自分にできることを最大限に即戦力で活かせる仕事であり、自信をもって働ける仕事です。
業務量や労働時間を考えた末、まずはパートからの復帰と決めたようです。
ナオさんの希望条件の
9:00-14:00という勤務時間を受け入れてもらえています。
大好きな保育士としての仕事をしながら収入を得て
子育てと家事を両立して
人生を豊かにしていく。
簡単なことではありません。
仕事と家庭を上手くやりくりするためにはナオさんにとって勤務時間が1番重要となるとのことで、自分の希望の勤務時間を受け入れてもらえる園を選びました。
仕事で疲れてご飯がお惣菜になることもあります。
祖父母に協力もたくさんしてもらいます。
この先のことで悩むこともあります。
いろいろすべて含めて、今の生活も今の自分も好きだというナオさん。
保育士として働くことは自分の人生を輝かせるための一つの手段でもあるかのようです。
決して頑張りすぎず。
働くことで、家族の大切さがさらにわかったともいいます。
保育士の大変さ、素晴らしさもわかったといいます。
最後に

安定思考のナオさんにとって保育士資格は一つの安心材料です。
保育士を持っているからこそ、別職種に転職をした時もこの先の不安なく楽しむことができました。
だって、もし住宅メーカーを辞めることになっても、保育士としていつでも復帰できることはわかっていますから。
保育士は昔も今も変わらず求められています。
保育士としての職探しに困ることはありません。
「保育士」という資格は自分の人生の一部であり、永遠に期限が切れることのない社会復帰への切符となるんです。
自分がなりなくてなった保育士、
取りたくてとった保育士資格、
子どもが大好きな自分。
そんな自分が輝いて働ける場所は保育園なのです。
いつでも辞めることは出来ます。
それと同じくらい、いつでも復帰することも出来ます。
復帰してまた辞めることもあるかもしれません。
でもまた、復帰ができるんです。
「あの頃はしんどかったけど、でもそれだけじゃなかった。充実感もちゃんとあった。」という気持ちが残っていている方、いますよね?
案外、昔と働き方も変わっています。
一度叶えた夢には続きがまだまだあるはずです。
ここで終わらせずに、これからの自分のライフスタイルに入れていってほしいです!



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