保育士も育休をしっかり取った後に復帰するケースが増えています

保育士不足は保育業界の永遠の課題とも言われていますが、保育士として働いていて離職する多くの理由の中に「妊娠・出産」があります。
厚生労働省の調査ではこのような結果となっています。

- 職場の人間関係
- 給料が安い
- 仕事量が多い
- 労働時間が長い
- 妊娠・出産
保育士って産育休制度の取得できるの?
妊娠出産で保育士を離職する人は多いですが、保育士も育休産休を取得できます。
今の時代、一般企業の育休産休の取得は当たり前ですよね。厚生労働省2022年の調査によると女性の取得率は80%の割合を占めています。
男性は17%で、少しずつ増えて来ています。
保育士はまだまだ妊娠を機に辞める人が多いのも現実です。
一回キッパリ辞めて子育てに専念しよう!と思う方が多いのでしょうか。
保育現場で毎日のように園児と関わり、新米パパママの保護者の方をよく見ている保育士。
自分の子どもが産まれたら一度この世界から離れたいと思うのもわかるような気もします。
ただ、共働きが主流になってきている今、育休制度を利用する保育士はだんだん増えてきています。
戻る場所があるというのは心の安心にも繋がりますよね。
私の園での育休取得率
実際、私の勤務する園では
現在、育休中の先生が3名で全体の約20%です。
これは多い方だと思いますし、こんなに多いと実際のところは人員の補充など悩みがあるのは本音です…。
でも、復帰してからは即戦力ですしやっぱり心強いです。
それだけうちの園が「働きやすい」と思ってくれていると、前向きに捉えることにしています。
こんな感じでバンバンすぎるくらいにバンバン取得しています!
そして復帰した後は、ママ保育士として活躍してくれています。
自分の育児の悩みや経験を通して保護者の相談に乗れることは、ママ保育士としての強みです。
産休とは
産前休業(出産予定日の6週間前)と産後休業(出産の翌日から8週間)のこと
産前休業の取得には申請が必要ですが、産後休業に関しては該当の期間、医師が認めない限り働くことが禁止されています。
産休取得の手続きは職場によって異なるため、しっかりと確認しておくことが大事です。
育休とは
1年間の育児休業のこと
1歳に満たない子どもを養育する男女労働者は、会社に申し出ることにより、子どもが1歳になるまでの間で希望する期間、育児休業を取得できます。
1歳になっても保育園が見つからないなどの一定条件を満たした際には、1歳6ヶ月までの延長が可能。また、その時点でも保育園が見つからない場合は2歳まで延長が可能となっています。
育休取得に必要な一定の条件
産休は雇用形態関係なく取得可能ですが、
育休取得に関しては、
パート、契約社員、派遣など期間の定めがある労働条件で働く人は条件を満たす必要があるので注意してくださいね。
また、次の3項目を労使協定で対象外としている場合は該当者は育児休業を取得することはできません。
・雇用期間が1年未満
・1年以内に雇用関係が終了する
・週の所定労働時間が2日以下
育休を取得してママ保育士として復帰したサワ先生のリアル体験記
サワ先生
年齢:30歳
性格:真面目でおっとり
職歴:幼稚園の勤務経験あり、主任経験あり
得意:制作系
趣味:ヒップホップダンス
サワ先生の育休履歴書
| 育休に入る前の勤続年数 | 幼稚園で5年勤務したのち現在の保育園で3年勤務して結婚 |
| 育休取得時期の年齢 | 28歳 |
| 育休取得時期 | 現在の保育園に勤務して3年目の9月 |
| 育休期間 | 1年7ヶ月(7ヶ月の延長) |
| 復帰時期 | 育休取得から1年7ヶ月後の5月(4月は娘さんの慣らし保育) |
| 復帰時の年齢 | 30歳 |
❶1年間の育休を取得するために園長先生と面談
サワさんは保育園で幼児クラスの担任をしつつ主任として働いていました。
そんな中、サワさんの妊娠がわかります。
すぐに職場に伝え、面談をします。
1年間の育休を取得することはすでに決めていました。

面談では、その時の体調の様子や配慮してほしいことなどを聞かれました。
休みに入るまでに必要な引き継ぎ業務などの確認もしました。

不安なこととか心配なことはありましたか?

つわりの症状もあったり、体調の配慮も必要な時期で1ヶ月くらい自宅で安静に過ごすために休んだこともありました。
その時は本当に申し訳なく感じました。
でも、みなさんあたたかくてありがたかったです。
同じ職場にママさん保育士もいたので、心配や不安、いろんなことを相談できたことも安心に繋がったそうです。
自分の体調を考えながら計画的に有給を使って休んでいましたが、
時には当日休んでしまうことも多かったサワ先生。
自分が急に休むことによって保育がとても大変になることがわかっているサワさんですが、こればかりは仕方ありません。

後ろめたさを解消するためのポイントとは?
休みに入るまでの期間の仕事への向き合い方で後ろめたさは解消されます!
検診日や体調面を考えて、計画的に有給を使用して出来るだけ職場が大変にならないうようにすることが大事です。
急に休むこともあるので、クラスの業務などは「自分しかわかっていない」という状態にはせず、しっかりと共有しておくこと!
❷育休延長の手続きをしました
順調にお腹の赤ちゃんは育っていき、無事に出産し、育休に入ります。
それから1年が過ぎ、
サワ先生のお子さんは1歳になりました。
育休が終わる頃ですね。
予定では復帰の時期です。

お子さんの保育園はすぐに決まったのですか?

いえ、決まりませんでした。
9月入園で申し込んだのですが、やっぱりどこも満員で落ちてしまいました。
この頃は待機児童が問題になっていた時期です。
0歳児の途中入園で保育園が決まるなんてことは奇跡に近いでしょう。
育休1年での復帰はやはり難しかったようです。

その時はどんな気持ちでしたか?
おそらく職場はサワ先生に早く戻ってきてほしいと期待していたはずですよね。

多分決まらないだろうなと思っていました。
本気で探せば空いてる保育園は見つかったかもしれません。
でも、それは家から遠かったり、無認可だったりで、この先ずっと預けることを考えたり金銭面を考えると難しいです。
なので、言い方は良くないかもしれませんが落ちる前提で申し込みをしていた部分もあります。

育休を延長したというわけですね!
育休の条件としては、1歳になっても保育園が見つからなかった場合は育休延長ができます。
職場との面談も済ませ、育休延長なりました。
お子さんの保育園は1歳児クラスの4月入園を目指します。
サワ先生自身もキリよく新年度からの復帰となります。

育休延長中に復帰の準備を進めておくことが重要
育休延長中は復帰の準備を少しずつ進め、保育士としての自分を取り戻していきました! ↓
0歳児の途中入園は難しいので育休延長は想定内でした。
延長期間はもちろん子育てに奮闘していましたが、復帰の準備も進めていました。
復帰した時に、保育園の子どもたちと遊ぶ手作り玩具やシアター系などを作ったり、少しずつ保育士としての自分も取り戻していきました。
復帰前のやっておくべきこと3選
めでたくお子さんの保育園が決まり、サワ先生の職場復帰も目前となってきました。
復帰する際は、休みに入る前の自分の居場所がそのまま確保されています。
ただ、安心してばかりはいられません。
サワ先生は復帰に向けて準備を始めていきます。
- 育児や子どもの保育園の送り迎えについて、イレギュラー対応を含めて家族で話し合う。
- パートナー以外の協力者を見つけておく
- 無理をしない働き方が出来る方法を調べておく
サワ先生は働き方に悩みます。
休みに入る前は
主任という立場で働き、他の職員同様でシフトも早番遅番を交代で回していました。
ママになったサワ先生。
お子さんの保育園の送り迎えがあります。
パパの協力も得られますが、限界があります。
家庭と育児と仕事。
ライフワークバランスを考えます。

復帰後はどのような働き方をしたのですか?

職場復帰は5月からにしました。
4月は娘の慣らし保育を優先させていただきました。
職場の保育園も新年度でバタバタ大変な時期ですが、娘の体調不良などで急な早退や欠勤をする方が迷惑をかけると思いました。

お子さんの保育園の送り迎えなどもあると思いますが、勤務時間はどのように調節したのですか?

金銭面を考えるとフルタイムで勤務したかったですが、やっぱり現実的に考えて厳しいなと思いました。
なので時短で働くことに決めました。
9:00から16:00の勤務です。

サワ先生の家から職場まで結構距離がありますが、お子さんの送り迎えは大丈夫なんですか?

そこは夫ともよく話し合いました。
基本的には私が送り迎えをしています。
私は主任なので6時間勤務じゃ片付けられない業務もあったりして残業をすることもあります。
自分なりにこの日は残業しようと決めて夫にお願いしたり、義母に来てもらったりして家族で協力しあっています。

5月からの勤務時間
収入面を考えるとフルタイム勤務をしたいところだったようですが
まずは時短で働くことを決めました。
時短勤務(6時間勤務)で復帰します。

自分に合った働き方を見つけるコツとは?
職場にばかり求めないでまずは家族で話し合って自分たちで解決できることはしておくと自分に合った働き方が見つけやすいです。
職場である保育園の事情・自分の家庭の事情と考えなければいけないことがありますが、まずは家庭でよく話し合うことをしました。
そして、そこで出た答えを職場に相談して、自分も職場も納得する働き方を探して提案してもらいました。
職場が保育園だからこそ、働くママの事情をよく理解してくださったので、とても相談しやすかったです。
❹復帰後はまず時短勤務からスタート
晴れて復帰!!
保育園の子どもたちも
「サワせんせーーい!」と嬉しそうです。
保護者の方たちも
「おかえりなさい」とあたたかく待っていてくれました。

復帰後は順調に働けましたか?

娘は保育園でいろんな感染症をもらってきて、保育園に連れて行けない日が多かったです。
でも、1番は自分の体力の無さに驚きました。
産後初めての仕事や久しぶりの社会復帰がこんなに大変だったとは夢にも思っていませんでした。
かなりしんどかったです。

どうやって乗り越えたのですか?

出来るだけ仕事は休まないように家族で協力しました。
自分の体調不良はどうにもならないのでその時は休ませてもらいましたが…。
娘の体調不良の場合は、夫がリモートの仕事に変更したり、続くときは交互に休んで娘を見たりしてなんとか乗り越えました。
娘の看病をしていた夫が娘の感染症をもらってダウンするということもありました。笑
保育園で働いている私たちなら誰もが知っています。
サワ先生のお子さんは
「風邪」「発熱」「感染症」「下痢、嘔吐」あらゆる症状で保育園を休まなければいけませんでした。
パパが仕事を休んだり、サワ先生が仕事を休んだり、夫婦で協力してはいましたが、サワ先生のお休みは少なくありませんでした。
それに加え、産後初めての仕事となるサワ先生。
こんなに体力がなくなっているのかと自分でも驚いたそう。
お子さんのお休みだけでなく、自分の体調不良でのお休みも続きます。
サワ先生が休んでも保育園は動きます。
サワ先生は主任です。
休みが続くと
保育以外での業務が滞っていきます。
指示を出す人、管理する人、確認する人がいないわけです。
初めの頃は先生たちに戸惑いはありましたが、そのうち先生たちが自分たちで出来るようになってきたり、サワ先生自身が「自分がいつ休むかわからない」という意識を持ちながら計画的に指示を出したり、職場全体で協力し合い改善しながら日々を過ごしていました。
ようやくサワ先生の体力も戻り、お子さんも保育園に慣れ、体調の崩れも減って来た頃、サワ先生は勤務時間について考え始めます。

復帰直後は休みがちで保育士は体力勝負ということを実感
復帰直後は休みがちで職場に迷惑をかけましたが、計画的に指示を出して任せられるところは任せるように心がけました。
産後初の仕事では体力が本当についていきませんでした。
保育士は体力勝負ということを実感した日々です。
主任がいつ休むかわからないというのは周りからしてみると不安だしやりにくいことが多かったと思います。
それを改善するために、より計画的に指示を出して任せるところは任せるようにしていきました。
❺復帰半年くらいで時短からフルタイム勤務へ移行
復帰して半年くらいが過ぎた頃、ようやく体力も戻り仕事と子育ての両立にも慣れてきたサワ先生。
フルタイム勤務への変更希望を職場に相談します。

フルタイム勤務への変更希望のきっかけはありましたか?

元々フルタイム勤務を目標としていました。
でも、初めから無理するのも良くないなと思って時短を利用させていただいていました。
ようやく慣れてきたので、フルタイムに戻ろうと決めました。
ただ娘の送り迎えを考えて8:30-17:30の固定でのシフトでお願いしました。

フルタイムで働いてみてどうでしたか?

復帰してしばらく経っていたので仕事と育児の両立にも慣れていたし、体力も戻っていたので、逆にストレスなく働けるようになりました。
時短の時はできなかった仕事をちゃんと自分で出来ますし、余裕を持って仕事が出来ています。
フルタイム勤務の希望ですが、家庭と育児があるサワ先生は早番遅番は難しいと考え、自分の働きやすい時間帯を示し、その時間を固定してほしいこと。
土曜日は基本入れること。
サワ先生の職場はサワ先生の働き方を受け入れます。
復帰してから半年後くらいにはフルタイム勤務に移行して働き始めました。
フルタイム勤務に移行してからは勤務時間が長くなる分、主任としての仕事も少しずつ安定し始めます。

フルタイム勤務へ移行する適切なタイミングと環境条件とは?
生活も仕事も安定してきたら、改めて自分の働き方について見直してみると人生の向上心が生まれてきます。
職場復帰してしばらく経てば、仕事と子育ての両立に慣れ、体力も戻ってきます。
落ち着いた時に改めてもう一度、自分の働き方を見直すのもいいかと思います。
❻フルタイム勤務移行後に二人目の妊娠が発覚
ようやく
育児と家庭と仕事のバランスが取れるようになった頃
2人目の妊娠がわかります。

2回目の育休ですね?
職場に伝えるのに心配はありましたか?

復帰してまだ1年も経っていなかったので、また迷惑をかけるのかと心配でしたが、前回同様みなさんあたたかく受け入れてくれました。
ただ一つ、主任を降りたいという意向を伝えました。

どうして主任を降りようと思ったのですか?

なんとか復帰後は主任として勤務しましたが、2人目の妊娠がわかり、これからのことを考えると自分には荷が重すぎると感じました。
一度経験しているから余計にかもしれません。
私の職場の保育園は主任が2人体制だったので新しい主任を立てるのではなく1人主任の体制になった感じです。
復帰してから1年も経っていませんでした。
来年度についても話していく中で
サワ先生は一つ決めていたことがあります。
主任を降りたいということ。
休むことが多くて迷惑をかけてしまうことも含め、
今のサワ先生には荷が重かったようです。
サワ先生はつわりやお腹の張りなどで長期で休んだりもしましたが、自分が休むまでに引き継ぎをしたり、新人保育士を指導しながら仕事を楽しみます。

そして2回目の育休が始まりました。
今もサワ先生は育休中です。
復帰後には2人の娘を持つママさん保育士となります。
サワ先生の勤務する保育園にとって
サワ先生はとっても大切な保育士の1人です!
最後に:会社の制度は働く人の味方であるということ

サワ先生のストーリーを見てみなさんどう感じましたか?
そんなに頑張って働かなくても…と思った人もいるかもしれません。
でも、これはサワ先生が自分で決めたライフスタイルです。
サワ先生にとって仕事は必要だったということです。
職場はサワ先生の働き方をしっかりと考えてくれています。
今までのサワ先生の仕事の成果を認めてくれているから柔軟に対応してくれているところもあると思います。
少し厳しいことを言いますが…
このブログを読んで、辞めずに育休取得しようかなと考え始めた人。
少し真面目な話にはなりますが
自分の希望や要望ばかり言ってもそれは職場も困ってしまいます。
決断は自分のことだけを考えて決断すればいいですが
相談や要望がある場合は、相手側(職場)のことも考えましょう。
相手側(職場)もあなたの相談や要望を受け入れるためには、それに対してのメリットを考えます。
そのためにスキルアップは大事だということです。
ママになってからの保育士、
保育の見え方にも変化があるのではないでしょうか。
保護者へのアドバイスの幅も広がるのではないでしょうか。
子どもたちの見え方にも新しい発見があるのではないでしょうか。
きっと自分の自信につながります。
サワ先生を見ているとそんな風に感じます。



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