園長が保育の現場にPCDAサイクルを導入したら劇的に保育の生産性が向上した実践体験記。

保育のなるほど

こんにちは。
保育園で園長をしているSanaminaです。

園長が保育の現場にPCDAサイクルを導入で保育の生産性が劇的に向上!

保育の現場にPCDAサイクルを導入で保育の生産性が劇的に向上
保育の現場にPCDAサイクルを導入で保育の生産性が劇的に向上

PDCAサイクルとは業務を円滑に進める方法です。



Plan:計画
Do:実践
Check:確認
Action:改善

の4段階を繰り返して業務を改善し、仕事をスムーズに進めようとするものです。
業務改善が継続的に行うことが出来ます。

「保育計画を行い、実行して保育活動を振り返り、反省して改善し、次に繋げる」
これ、現場では毎日のようにやっていますよね??
実は、PCDAサイクルは日常的に行なっていることなのです。

保育士必見!PDCAサイクルで保育の質を向上させる方法 | 保育園専門のBPO お役立ちプロジェクト
問題提起:保育園の運営や保育士の業務効率化、そして保育の質向上は常に重要な課題です。しかし、日々の忙しさの中で継続的な改善をどう進めれば良いのでしょうか? 記事を読んでわかること:この記事では、保育園におけるPDCAサイクルの基本概念とその...



年間計画、月案、週案、日案をPCDAサイクルと呼ぶとすれば、それらはどこの保育園でもやっています。そして、もちろん「子どもが健やかに育つような質の高い保育の提供」に繋がっていることはまちがいありません。ただ、保育の生産性は昔からほとんど変化がないということはこれだけではダメだということ。

保育現場は一般企業と違うから…
と思って業界独自の偏ったやり方ばかりでは、時代が変化についていけなくなってしまいます。

そんなことを考えつつ、
新しいことが好きな私が保育現場にPCDAサイクルを導入したら

離職率の大幅な低下に成功!!
有給休暇の取得率の向上!!
職場の雰囲気作りに成功!!
業務の時間削減に成功!!

つまり!!

保育の質がとてつもなく向上しました!

その証拠として、運営委員会や保護者会、第三者委員会などで保護者からアンケートを採ってもマイナスの意見が全くありません。

実際の園の利用者評価
実際の園の利用者評価

保育現場にPCDAサイクルを導入した理由

保育現場にPCDAサイクルを導入した理由
保育現場にPCDAサイクルを導入した理由

私が保育士になってから今も変わらず、何年も同じような声が保育現場から聞こえ続けています。

現場からの声

  • 人間関係が上手くいかないから辞めたくなる
  • 残業が多いから自分の時間が作れない
  • 人材不足で忙しくて自分にも周りにも子どもに対しても余裕が持てない
  • 持ち帰りの仕事が多いためプライベートを犠牲にしている
  • 休めないからいつも疲れているし心が疲弊して不満が溜まる
  • 時間が足りないからいつも追われてセカセカしてキツイ対応やキツイ言い回しになる
  • 頑張っているのに給与が努力に見合っていないと感じる

それに加え近年は、さらに一つ増えました。

  • 園児に自分のストレスをぶつけたり、自分の思い通りに動かそうと厳しくしたりするなど、不適切な保育になってしまはないかと心配

これらのマイナスな声がたくさんあるにも関わらず、保育士という職業は、なりたくてなった人がほとんどです。
長く働き続けている先生たちは、このような労働環境の中でもそれ以上のプラスの価値を感じているからだと思います。

子どもたちの笑顔は、何にも変えることのできない力があるんです。

毎日全力で保育をしている先生たちに、少しでも働きやすい環境を提供したいし、環境を整えることが園長としての役目の一つだと思っています。

保育士が働きやすい環境とは?

  • 質の良い人材の確保して人的ミスやトラブルを防止し、安心で安全な保育ができる
  • 業務を簡素化して効率よく業務することで、子どもと向き合う時間が増える
  • 業務効率化の実現により労働時間が削減しプライベートも充実する
  • 良好な人間関係が構築しているから「この職場で頑張りたい」とスタッフみんなが前向きである
  • 定期的な昇給制度があり仕事にやりがいを感じられ、自信に繋がる

これらが全て整った保育園があれば、めちゃくちゃ働きやすいはずです!
実際、私の保育園は自分で言うのもなんですが最高の保育園だと思っていますが、本当に全て整っているのか、職員全員が満足度100%なのかと問われると自信はありません。

だからと言って
「保育士だから仕方ない。」「保育士たるものこれを乗り越えるべし!」「そんなことわかって保育士になってるんでしょ」なんて言っていても何も変わらないままです。

改善や改革を出来ることから一歩ずつやっていくことが保育業界の明るい未来につながってくると思います。

保育業界は歴史が長いからこそ、これらの問題はかなり根深いし、深刻です。

そこで!!

保育の生産性を高めるために新参者の園長の私が実際に取り入れた実例を紹介します。
成功や失敗、注意点などを私の経験上で書いていますので、読者の皆様に有益な情報があればポイントだけでも取り入れてみてください。

保育の生産性を高めるってどう言うこと?

保育の生産性を高めるってどう言うこと?
保育の生産性を高めるってどう言うこと?

経済産業省では、
保育現場における「生産性向上」を
子どもが健やかに育つように質の高い保育を提供するための機能強化」とみなしています。

要するに、子どもが健やかに育つには質の高い保育が必要!!
保育士の保育の能力を上げることが保育の生産性を高める第一歩なのです。

それが一番難しいんですけどね…

私が目指したゴールとは?

質の高い保育をチーム全体で提供することです。

「保育の質」とはよく言われます。
個々の保育の質を高めることはもちろんですが、最終的なゴールはチーム全体としての保育の質を上げたいと考えました。
保育士にはいろんな人がいます。みんなそれぞれ苦手なことがあり、完璧な人なんていませんし、それを求めるのにも無理があります。
実際、園長としてたくさんの保育士を過去に見てきましたが、保育士のレベルの差は激しいです。
そこの差を詰めるのではなく、チームとしての保育の質を高めていくことをゴールにしました!

Plan1.新人育成(OJT)にPCDAサイクルを導入して保育の生産性が高まりました

新人育成(OJT)にPCDAサイクルを導入して保育の生産性が高まりました
新人育成(OJT)にPCDAサイクルを導入して保育の生産性が高まりました

新人さんには1ヶ月間、固定の指導者をつけます。

  • 指導者は、まずはやってみせます。指導者の姿を見て学びます。
  • やっていることの意味や、やり方を具体的に教えます。
  • 実践します。
  • 評価・反省・指導をします

1か月間、新人さんと指導者は新人さんが書いた日報のやり取りをします。
そこで、新人さんの「その日の気づき」や「反省」「疑問」などを把握し、指導者はフィードバックします。

ここでのPCDAは、
P=新人育成
C=保育の実践
D=新人日報
A=フィードバック

となります。

実際やってみて…研修後の新人さんの質が上がりました!指導者の質も上がりました。

導入前導入後
新人が仕事の仕方がわからない覚えるのが早く慣れるのが早い
新人が自信が持てず短期間で辞めやすい楽しさを感じ継続して働いている
指導者はただ指示を出すのみ指導者も成長している
新人育成(OJT)にPCDAサイクルを導入して保育の生産性が高まりました

成果がでたこと

今までも新人日報はやっていたのですが、指導やフィードバックは主任やリーダーがしていました。
今は、新人によっては役職がない立場の職員にも指導を任せています。課題を見つけたり褒めたり、疑問への回答などもしています。
主任やリーダーなど自分とは遠い立場の人が相手では、緊張や不安、自信の無さが高まってしまいがちですが、まるべく自分近い年齢や立場の人から教えてもらうことにより、悩みや楽しさの共感を得られ、「楽しいです!」という言葉が増え、新人の笑顔も増えました。
指導する側の成長も見られました。

注意点

新人さんが指導中に辞めてしまうことがあれば、指導者は責任を感じてしまうかもしれません。それにより、モチベーションの低下も考えられ、マイナスのサイクルになりかねません。
そこで、園長や主任の出番ですね!
新人育成を誰かに任せていたとしても、状況や近況を把握しておく必要があります。指導者とのコミュニケーションを今まで以上に図り、指導の悩みを聞いたりアドバイスをしたり、指導の成果が出た際は指導者を褒めることを忘れないでくださいね!

Plan2.1on1ミーティングにPCDAサイクルを導入して保育の生産性が高まりました

1on1ミーティングにPCDAサイクルを導入して保育の生産性が高まりました
1on1ミーティングにPCDAサイクルを導入して保育の生産性が高まりました

私はだいたい月1回15分~20分程度の1on1ミーティングを取り入れています。
話す内容は相手によって変わりますが、なんとなく「今回のテーマはこれでいこう」「これは絶対話そう」ということは決めていて、こんな感じです。

  • 共有したいこと
  • 前回の1on1の振り返り
  • 課題と向き合う
  • 相談
  • 自信に繋げる
  • プライベートな話
  • 目標

ここでのPCDAサイクルは

P=1on1で話した内容
C=保育での実践
D=1on1での振り返り
A=これからの保育に繋げる

これにより、なるべく早く個々の問題を解決することが出来、離職率は下がりました。

導入前導入後
個々の悩みが限界まで大きくなるまで気づけない悩みを小さな内に共有し解決へ
自分の課題や成長は自分次第課題や成長、改善と反省を共有し、自信に繋がる
退職希望を直前にしか申告しない退職希望の場合は事前に申告するようになり、人材確保に余裕を持てるようになる
1on1ミーティングにPCDAサイクルを導入して保育の生産性が高まりました

成功したこと

個人的に主観で褒めることが出来、本人の自信に繋げられています。
「自分のこんなところを見てくれてるんだ!」「自分では当たり前のことだけど、褒められることなんだ!」と感じることで、やる気アップになっています。
仕事だから当たり前ではなく、誰でも褒められると嬉しいってことですね!

定期的に1on1をすることを先生たちも分かっているので、困り事や悩み事をためることがあまりありません。
「1on1で話そう」と思えることで、思い詰めることがなくなっているように感じます。

信頼関係が深まる
プライベートな話も取り入れつつ、時にはフランクに、時には真面目に話すことで、先生たちから気軽にコミュニケーションを取ってくれるようになりました。

失敗談…

相手によっては、1ヵ月に1回ですら「話題がもうない…」ということもあります。
私が頭を振り絞って話題を考えているのが相手に伝わっていなければいいのですが…笑
冒頭に書いたように「話す内容」はある程度、決めておかないとそうなってしまったときに1on1の意味が本当になくなってしまいます。
たとえ15分であっても、保育を抜けてまでしていることなので、価値のある時間にしたいですね。

Plan3.労働時間削減にPCDAサイクルを導入して保育の生産性が高まりました

労働時間削減にPCDAサイクルを導入して保育の生産性が高まりました
労働時間削減にPCDAサイクルを導入して保育の生産性が高まりました

保育園はシフト制です。
早番・中番・遅番をローテーションで組んでいます。
中番は30分ごとに出勤時間と退勤時間をずらしています。

年間で言えば、「変形労働時間制」を導入しています。
年間で○○時間内に労働時間を収めるという目標があり、それ以上になると残業代が発生します。
基本的には超えることはありません。
そのため、月によっては総労働時間が長かったり、日によっては労働時間が長くなる時もありますが、年間で見たときはオーバーすることがないという働き方です。

早上がり、午後出勤も頻繁に取り入れています。
早番は13:30には上がったり、遅番は午後から出勤したり、そんなふうにシフトを調整しながら出来る限り勤務時間を削減しています。
子どものその日の人数、その時間の人数によって保育士の必要数を計算して、十分足りていたら早く上がることもよくあります。

ここでのPCDAサイクルは

P=労働時間削減
C=変形労働時間制導入
D=職員の勤務状況調査
A=さらなる年間の労働時間の削減

これにより、職員のプライベートを確保出来、仕事へのモチベーションが上がりました。

導入前導入後
残って作業が当たり前残業無し
休みの日も持ち帰り仕事プライベート時間の確保
無駄に時間をかけすぎて長時間労働効率を考えて業務をするようになる
労働時間削減にPCDAサイクルを導入して保育の生産性が高まりました

効果がでたこと

こまめにシフト調整をすることで、先生たちのプライベート時間が充実し、保育への活力が湧いているように思います!
早上がりの日に美容院に行って、次の日に髪がすっきりとしているところなんかを見ると、勝手ながら嬉しく感じてしまいます。笑 

これは気をつけて!

あまりにもシフトを削りすぎると、書類時間も減ってしまうので加減は必要です。
保育士の必要人数は足りているからと言って、やりすぎはよくないです。
今持っている個々の仕事やクラスでの仕事などの進み具合を把握しておく必要がありますね!

Plan4.ICTシステム導入にPCDAサイクルを導入して保育の生産性が高まりました

ICTシステム導入にPCDAサイクルを導入して保育の生産性が高まりました
ICTシステム導入にPCDAサイクルを導入して保育の生産性が高まりました

保育の生産性を高めるのには必須だと言っても過言ではありません!!


ICT化したもの

  • 連絡ツール
  • 保護者への配布物
  • 園日誌
  • 指導案、週日案など保育関係の書類全部

細かく言えばもっとICT化したものはありますが、簡単にこんな感じです。

逆にICT化していないもの

  • SIDS
  • 問診票
  • 登園届など園への届け出書類

手書きの連絡帳をアプリに移行するだけでも、かなりの改革でしたし、色々心配や不安はありましたが、めちゃくちゃスムーズに移行出来ました。
保護者からも大好評で、良くない意見は一つもありませんでした。
これにより、業務の大幅な時間削減になっていますし、今までの業務が「なんてもったいない労働をしていたんだろう」とさえ思うくらいに、負担軽減です!

あ!もちろんですが、ICT化するにあたってパソコンは必要台数購入しました。

ここでのPCDAサイクルは

P=業務負担の軽減・ペーパーレス
C=一気にデジタル化へ移行
D=デジタル化をしてみて保護者の意見回収・職員の意見回収
A=今までは紙ベースのため現場でその場で見えていたものが、データベースになったことで職員同士の連携に抜けが出ることがあったので、見える化にしていくための工夫

これにより、業務の効率が格段に上がりました!

導入前導入後
紙代、保管スペースの負担が大きいコスト削減、収納場所不要
指導案などの修正や共有に時間がかかるデータの共有が複数人でも離れていても可能
手書きで時間がかかるパソコンで素早くできる
一人ひとりへ配布の準備データ送信で即時に共有
ICTシステム導入にPCDAサイクルを導入して保育の生産性が高まりました

良かったこと

連絡帳アプリ
どこにいても全員の連絡帳が見れる。字が汚い人でも問題なし!
欠席申請やお迎え時間の変更などをアプリで申請できるので電話が鳴らなくなった。今まで保育中に電話に出るのはかなり大変でした。

保護者への配布物
今までは紙で配布していて一人ひとり折って連絡帳に挟んで…とやっていたのですが、連絡帳アプリで一斉配信するだけ!

園日誌
今までは、何か共有事項や連絡事項があると園日誌が置いてあることろまで行って書きにいき、見に行き…だったのが今ではどこでも記入できるし、確認できます!

保育書類関係
手書きよりは断然早いのは当然ですね!

乗り越えよう!!

今では、業務の負担軽減にかなりの貢献をしてくれているICT化システムですが、導入当初はかなり業務の生産性は落ちました…。
保育士はアナログ人間の集まりだなとつくづく思ったものです、
使い方に慣れるまでは、全てに時間がかかっていました。
でも、慣れるまでにそこまで時間はかからなかったです!

実際のエピソード

ICT化へ移行する時期、60歳を越える年配の保育士さんがいました。
もちろんパソコンなんて使ったことはありません。
ZOOMミーティングの参加をようやくできるようになったというくらいのレベルです。
そんな先生に、デジタル化したもののやり方を説明しようとすると、メモ帳を取り出して全部をメモろうとするんです…。
パスワードを入れて、エンターキー押して。というところからメモです。
そんな先生に私は
「メモらなくていいです!体で覚えましょう!そんな一個一個メモって後で見返してもどこにメモったかがわからなくなります!」
と言いました。笑
そしたら、その先生は「えーーーー!」とびっくりしていましたが、すぐに慣れて問題なくデジタル化に着いて行っていました。もちろん文字を打つだけでも時間はかかりますが、書くよりは早いです。いや…書くのと同じくらいかな??笑

保育現場にPCDAサイクルを導入している人の声を調査してみた

保育現場にPCDAサイクルを導入している人の声を調査してみた
保育現場にPCDAサイクルを導入している人の声を調査してみた
保育現場の生産性について

↑これはPCDAサイクルとはちょっと違いますが、生産性を高めるためのみんながすぐにでも出来る第一歩です!隙間時間をうまく使うには頭の切り替えも大事ですね。

保育現場にICT化を導入している人の声

↑そうなんです。こんなにICT化は効率が良くなるのにまで全国で4割程度。特に公立保育園はまだまだこれからって感じでアナログばかりです。早くICT化が一般化されると良いなと思います。

保育現場にICT化を導入している人の声

個々の書類の負担も軽減しましたし、全体の共有も簡単になりました!ただ、導入直後でみんなが慣れるまでは時間がかかりました。

保育現場にPCDAサイクルを導入している人の声

保育現場のPCDAサイクルですね。「計画・実行・反省・改善」必ずならなければいけない書類で必須業務です。「やらないといけないからやる」だけで、ただ書類を書いて終わりでは意味がありません。しっかりと自分の保育に落とし込んでこそ本当のPCDAサイクルです。

最後に

最後のポイント
最後のポイント

ほんの些細なことや小さなことを無くしたり、削減することで保育の生産性は劇的に高まりました。
「これくらいすぐ出来るし大丈夫」「今までやっていたからやるのが当たり前」ではないんです。

保育は人と人との関りなので「思い」で仕事をしているところも大きいですよね。
業務の一部を「省く」「やめる」となると、なぜか後ろめたい気持ちにもなったりします。
でも、案外やってみると保育士にとっても保護者にとっても子どもにとってもwin-winになることがほとんどです!

保育士の負担が軽減するということは、心や時間、業務に余裕が持てますし、その最大の効果は質の高い保育に繋がります。

最後に

給与のベースアップや賞与アップにも取り組んでおり、やはりこれも保育士のモチベーションにつながっています。
「保育士は仕事内容の割に給料が少ない」というイメージがあるかもしれませんが、私が思うに多少の給料を上げるだけでは意味がありません。
保育の質を高めるための近道は、時間が足りない。人が足りない現状をを解決することです。

保育園で働きたい人はぜひこちらも参考にしてください

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